10年

震災からもう10年が経ちます。日本では様々な映像が流れていることだと想像します。あの時感じた多くのことは、時の経過による風化を経ながらも、それぞれの心に存在していくのでしょう。私は、気づいた大事なことを忘れることなくいたいと思っています。そうして、何かのときに誰かの力になれるように、自分が出来ることを増やしていきたいと真摯に願っています。そのことが、現在様々な困難や災害を越えて、生き永らえることのできている私の役割であると思うから。また自分だけでなく同じ気持ちを持った人達と協調していきたいものですね。
 震災で連絡が取れなくなってしまった神戸の友人がいます。震災は、彼女が丁度センター試験を受ける頃の出来事だった。彼女の消息がずっと気になっていたのですが、私は既に大学生という立場もあって、連絡を取ることで彼女にいらぬプレッシャーをかけやしないか等々いろいろと考えすぎてしまって、葉書をすぐには出せませんでした。結局、遅れて出した葉書は彼女のもとへは届かなかったのです。けれども彼女の好きな小曽根さんのピアノバーでいつか再会できると嬉しいと願っています。
 一緒に話した人達や神戸の親戚、もう会えない人も数人います。だからこそ、生きておればこそ、再会したい人がいます。