ノートを作ること

 一番の優先順位はもちろん、翻訳であり、まとめる作業。それは変わらない。

 没頭することは、性にあっている。楽しみを持ちながら、息抜きしながら、いきたい。
 レシピ等食材について、分冊にしてメモをすることにした。買出しのときに手にしてレシートを挟み込むので、自然に食材の値段を比較出来る明確さがよし。
 ノルマンディー風は要するに、北西の特産品。林檎のお酒であるシードル、また乳製品としてクリームを入れる。お肉は鶏でも子牛でもよい。今晩は子牛の骨付きフィレ。すね肉がほしかったのだけれど、近くの皆が愛用しているフランプリ(スーパー)にはないので、骨付きフィレで。帰路にある専門店(BOUCHERIE)を見てみよう。しかし作業は簡単なのに実に美味しい。満足。
 しばらく同じものを作り続ける人が同じ建物に住んでいるのですが、私は同じタイプかもしれない。素材を少しずつ変えて、ただひたすら同じものをつくり続ける。栄養学的には駄目な行為なんだろうけれど、心惹かれるのは何故か。美味しく出来たので、近所の単身赴任の人(奥さま在仏の折りに非常にお世話になった)に差し入れ。嬉しい出産のニュースも聞くことができ、よかったあ!!!
 ソース類もバターソース、バルサミコソース、ビネガーソース、チーズソース、カシスソース等、単純。手元にある色々なものでアレンジできるのが楽しい。鴨肉などは脂分が多めなので、酸味のあるカシスソースやオレンジソースなどが合う。甘いマンゴーチャツネを入れても十分あう。このあたりはいい。さらなるソースについては既に持っている、Cornelia Adam, Sauces (hachette pratique)辺りから作ってみよう。このシリーズはテーマ毎に分冊されていて便利だし、写真がとても可愛い。だいたいソース類は手元にある材料で作れるので気楽。またYさんからいただいた、cuisinFacileは色々なレシピが沢山入っていて嬉しいところ。

 肉類の部位。例えば子牛(かわいそうだけど・・・ごめんなさい)、場所によってtete(頭), collet(頸部付け根肉),cotelette(骨付きあばら肉),epaule(肩肉), filet(フィレ肉), poitrine(胸部肉),flanchet(腹部肉),quasi(もも上部肉), culotte(でん部肉), noix(内もも肉), sous-noix(外もも肉), rouelle(もも肉), jarret(すね肉)等々。牛、豚、羊。鶏のは一部しか完成しておらず資料で確認が必要。しかしこうやってみると家庭科の授業じゃないけれど、それぞれの特徴を把握できる。活かし方も当然違ってくる。食材について知ることはなおさら、おもしろさを増す。テリーヌ用ファルスのレシピを手に入れた。大学時代のアルバイト先でもテリーヌを作っていて、背脂を入れていて本格的だったのだけれど、材料(主になるお肉と、薄切り肉等)があれば、あとはフードプロセッサーで混ぜて、型にいれてオーブンで加熱し、冷やすだけであり。お肉の部位によってどのように違いが出てくるか、部位を入れ替えて組み合わせてみる。店頭にテリーヌは並んでいるけれど、中身との関連が分かる方が面白い。
 手順や所要時間にしたがって淡々とつくるが、創作的な要素が入るとさらに調理は楽しいものになる。kさんオリジナルな、ビーフシチューやインド・タイカレー等の技も、機会のあるうちに学びたいなあ。

 同様に仏語や独語についてもノートに一元化しているのね。そうする方が、私にとっては勉強になる。書くという作業は一番素朴で大事な行為。読む行為も、声に出すと、体と一緒に憶えることができるし、心地がいい。身体を動かすことの合理性。もちろん、翻訳とは違う表現もあるけれど、多にみえるものは一つにつながっていると思うから。

 翻訳作業も同様にメモによって構成される。つまりは作業過程を一覧にすること。私にとってはこの方法が一番。パソコンが壊れるまでは、パソコン上のデータのみに頼っていたけれど、素朴だけど、こういうことも重要だと思った。