藤田嗣治展(京都国立近代美術館)

【美術展】
 京都国立近代美術館で「生誕120年 藤田嗣治展 〜パリを魅了した異邦人〜(京都展)」(会期:平成18年5月30日(火)〜7月23日(日)開館時間:午前9時30分〜午後5時 (金曜日は午後8時まで開館。入場は閉館30分前まで)月曜休館(ただし7/17は開館し、翌7/18は休館)) 力の入った展示会のようで楽しみです。帰国したら行ってみよう!http://foujita.exh.jp/このHPに割引引換券有り。

 藤田嗣治の絵は好きだ。しかし私は、彼の私生活について知れば知るほどに、複雑な気持ちになった。一人の女性と添い遂げなかったこと、渡仏して日本にいる彼女を捨てた姿勢は、感性や美とは別次元にある。彼は女性の何を見て、何を求めていたのだろうか。彼への嫌悪感は否めない。伝統的な日本画の技法も援用して名声を得たという側面が少しでもあるならば、伝統を培ってきた日本の画壇に対する礼儀や敬意は大事ではないだろうか。
 好きな絵だっただけに、心情は、少しゆれている。個人的に関わる訳ではないので、別にどうでもよいと捉えれば、それでよいのかもしれないが、こういう男性は苦手です。

 私が去年居住していた施設(http://maisondujapon.cool.ne.jp/)には、藤田画伯の壁画が2作品あります。100号が3枚分と、サロンには6枚分の大きさの大作が、身近にありました。サロンでは、ピアノや舞台、パーティーや講演会、映画上映会などが行われ、いつも舞台には彼の絵がありました。帰宅して正面で迎えてくれる彼の絵は、当時の私の心に染みこみ、今も記憶に鮮明で、多分一生忘れられません。同館は7-9月を中心に通年度、一般宿泊も可能です。またその藤田の絵について、写真等で報告できたらいいですね。

【フランスの中にある日本の絵】
 モネの家にある浮世絵コレクションは非常に素晴らしいものです。庭とともに一見の価値はあります。少し日本情緒のあるモネの睡蓮の池は竹や柳が懐かしい情緒です。(詳しくは右のピアノ弾き野生児のHP参照)逆にパリには主だった浮世絵コレクションはギメ美術館(東南アジアや中国大陸美術中心)にもないのですが、シャトーマンテノン婦人のシャトーなど個人蔵では、浮世絵や有田焼等の素晴らしい作品が見られます。
 さらに日本の絵は、カルティエ財団や日本文化会館で展示されることが多いです。
 パリに住む日本人の画家や芸術関係者も多くて、展示会も度々開催されています。
 偶々、出会った某方は仏でも高い評価を受けておられて、家族ごと、完全に住居をこちらに移されたようです。大学の徒歩圏内に部屋を探していた際に彼らと出会ったのですが、5区には2大有名リセ(高校)がありグランゼコールの登竜門(らしい)、そして学区制を採っているので、仏人は相続で部屋を持っているか(退職された仏人の先生のご家庭では、お子様お二人それぞれに1フロア(しかも内部で2階建て)相当を所有されていました。それにもビックリ!)、所有していない場合にはわざわざ学区内に部屋を購入するみたいです(びっくり!親心も分らないではないですが、子どもに無駄にプレッシャーがかかりそうで私はちょっと怖い気がしました。うちは放任なので、ただただ、すごいなぁ!と。)。彼女は多分お子さんをそこに通わせるため?に部屋を購入して、それまでは賃貸にされる計画なのだと推測しています。またその際に、分筆業の方が同行されていましたが、一緒にいた仏で臨床心理のスタージュをされている方が、彼の名前を仰っていたので、多分著名な人なんでしょうね。いやいや未知の世界ですね。
 なお、Paris-Tokyoは日本とは関係なく、現代美術中心の展示。(近くには装飾美術館とイブサンローラン財団とバカラ美術館などがあります。ギメ美術館も側にある。すぐ近くに週2日開かれる朝市もあります。)

 こちらでは子どもが本物の絵に触れて学ぶ機会が多いんです。込みすぎないのと、子ども達がいればちゃんと場所を譲ってあげることが自然なんですよね。とてもすばらしいことです。お子達は、学芸員さんと一緒に回るのですが、重要な作品の前ではお子達は座って説明を聞き、質問に自主的に答えていくんです。ここでの質問内容はきちんとした解釈をベースにしていて、本当に素晴らしいなぁと感激しました。いい環境ですよ。

【1920年代のパリ】http://www.momak.go.jp/Japanese/news/20060610.html京都市立芸術大学(6月10日・11日)ジェラルディーヌ・ギョーム=シャヴァンヌ(ポンピデゥー・センター修復担当官、パリ第一大学助教授)「1920年代パリの絵画技法の潮流と藤田嗣治」*フランス語。逐次通訳あり。講演内容は日本フランスともに興味深くて、読んでみたい。いつかこれは出版されないだろうか。
 第一とはキャンパスは別なので美術関係の授業に触れることはなくて、美術史を独学する程度だったが、絵を実際にみていくうちに、個人的に絵画技法の分析に興味がある。家の隣の第一の建築・美術分野の図書館には登録済だけど、授業等でなかなか行けなかったので、時間が出来たら寄ろうかしら(余裕があれば)。アジェらの写真や5区の1900年初頭の街や人の写真が好きなのですが、町並みも服装も今とは相当違っていて面白いのです。同じような空気の中に藤田画伯が存在して、何を感じていたのでしょうか。

 今部屋では音楽や劇に加えて、1940−50年代の戦争史の口録のCDを流しています。対戦前後はドイツに大きく変化が起こるきっかけで、世界史を取っていなかった私にとっては、知ることは必須です。音響資料は現実に生きた人達の言葉なので、机上で知るよりもずっとずっとリアルですよね。

 実際、自分の分野にひきつけてみると、1880年〜1920年代にフランスはドイツの影響を大きく受けているのですよね。興味深いです。そして今はEUという緩衝材を通じて、やはり2大勢力であるドイツとの近似化が進んでいる。それでも文化的・慣習的な相違は一定限度で残されていくのですよね。それがおもしろいです。

 第一日曜日は美術館無料の日。もう少し作業が進めば、行ってみようかな?って気になっています。

 北の某大先生の論文、細部の紹介は置いてくださっているようで、愛情を勝手に感じる。西の先生も帰国の度にお世話になっている。2大先生の、後を継げるように頑張りたい。勿論討論会から深い縁のある愛情深い先生に恩を返したい。


 夏に、福岡での子ども世界議会?の通訳を見つける。興味あり。日常会話レベルでよいみたい。書籍等の購入費を少し補填したいのと、経験の幅を広げたいのと、なにより面白そう!しかし登録が弾かれる。海外からはダメか?!

【最近日本であった展覧会のメモ】
・エコールドパリ

・ドイツ表現主義 - Wikipedia

Category:オーストリアの建築家 - Wikipedia

・ロシア


【おまけ】
フランス国立美術館連合Réunion des Musées Nationaux-Grand Palais