ARNOLD SCHOENBERG

 シェーンベルク(ARNOLD SCHOENBERG 1874-1951)の"Verklärte Nacht"を聴きました。ここ一年音楽がぐっと心に入り込んできます。彼がクリムトの絵をCDのカヴァーに持ってきた革新的なアルバムは、現代音楽のさきがけで旋律がないとはいえ、浄化されるような、聴き応えのあるものでした。彼は現代音楽の創始者の代表格であり、名前は以前から聞く事はありましたが、実際に曲を聴けば、そのすごさが伝わってきます。彼の生まれ育ったウィーン(シェーンベルグは後にアメリカに亡命しますが)は、精神世界を絵で表現したクリムトエゴン・シーレ、クリシュカ等が活躍した街でもあります。彼らが生きた時代は世紀末芸術が花ひらいた時期です。当時の社会背景を歴史的に考えても、美しいかの街へも戦争の足音が聞こえ、過去の価値感への懐疑が起こっていた時代でした。安定を破壊へ向かわせる当時の状況は、何かしらの影響を創作者達に与えたのであろうと思われます。
http://w3.rz-berlin.mpg.de/cmp/schonberg.html
 先々週、小澤征爾氏とウィーンフィルによる歌劇プッチーニラ・ボエーム」をウィーンの国立歌劇場で鑑賞してきました。旋律なしなので聴き辛いかと先に言われていたのですが、音楽の切れ、表現ともに圧巻でした。前から4列目で小澤氏の指揮も十分に観ることが出来ました。彼はパリ時代、バイクで彼が認められる契機となったブザンソンのコンクールに向かったという逸話が残っています。
 音楽が自分にとって非常に重要なものになっている現在の状況等などを思います。