Cendrillon - Rudplf Noureev

 久々に動けそう!と、数件のなすべきことをこなすため、午後に外出してきました。用事を済ませたので、オペラガルニエの近くにいたこともあって、気になっていたオペラ「Cendrillon(灰かぶり=シンデレラ)」を観てきました。(本当はカフェで勉強をしようと思ったんだけど、どうしても気になっていたのです) 全席完売なので窓口でのキャンセルを待つも、待つ人数と良い席の需給関係がどう考えても難しそうなので、早々にウィーンで知ったオペラ座前で余った券を直接購入する方法に変更。交渉して成功!(ラッキー!) コミカルな演出がされたシンデレラは、踊りのレベル、Costume(HANAE MORI)、工夫された舞台装置、多様な文化をダンスで表現した等を総合的にみて、今まで観たものとは格段に強く新鮮に、そして激しく、心に訴えてくるものでした。お話自体は「女の子ゴコロ」を刺激する「お姫様、王子様モノ」ですから私だけかと思っていたのですが、そうではなく皆が感動のあまり立ち上がり、ブラボーの声やまず、数度のアンコールの後にも、拍手や声援が鳴り止まないほどの反響がありました。バレエの表現力を超えた、まるで上質なオペラを観ているような不思議な感覚。加えてバレエの美しい身体表現、対称・非対称。最後に今回一番素晴らしかった方としてシンデレラ役の女性がピックアップされました。オペラガルニエじゅうが、感動で、一体になった時間は、本当にこの世のものとは思えない、感動を共有しているような不思議な感覚だ。明日までの公演だけど、今日のこの場で観ることが出来て、感動に立ち会えて、よかった。今夜、バレエをまた以前よりもずっと好きになった。

 今回同じところに住んでいる人をそれぞれ別に、2人見かけた。挨拶などを簡単にすます。それだけ多く一つの公演でみかけるのも珍しい。それだけ口コミでの評判がよいということか。帰宅してゆっくり一人でくつろいではるときにでも、感想などを聞いてみようと思う。
 お隣の席になった、フルート吹きの女性と少し話した。音楽関係で来られている方はとても多い。今どこの音楽院も試験前だが、彼女の学校の審査員の先生方も今日前で演奏されているようだ。そういう話を聞くと未知の領域だけに、新鮮さをおぼえます。
 
 小澤征爾「ボクの音楽武者修行」(新潮文庫、昭和五十五年)
 小澤氏は渡仏直後ブザンソンの指揮者コンクールで一位を取り順調な生活に見えたにも関わらず、10ヶ月後にはホームシックに苦しんでいだ。本場の葡萄酒を飲んでも少しも美味しく感じられず、また美人も急に目に入らなくなったそう。お医者様からのアドバイスを得て、彼はパリから、ノルマンディーの修道院(イギリスに一番近い出っ張った半島の中にある)に入って、ホームシックの治療・静養をしたそうだ。その後に彼はまた元気になってパリに戻ってきた。
彼のエッセイを読んでいて学んだことは3点、自分だけでは解決できない困った事態には他の人を信じて手を借りること、家族や友人に手紙や葉書を書いて近況を伝えることの大切さ、楽天的に全てにおいて最善を信じる陽気さ。以上。
また、ウィーンの彼の躍動的な指揮は、言葉の壁を認識して初めて形成された側面がある。何事も、どう転ぶかはわからないものです。まあ人生そういうものかもしれません。

 小澤氏同様、夏目漱石は私の本棚にもある。それらしい?彼も「こころ」「明暗」を読んだそうです。書物も現在住んでいるところの共有図書にも漱石は結構存在しているし、アランの「幸福論」(角川書店、昭和26年)などもある。私だけではなく、最初の年には環境の変化に慣れきらずに、ホームシック状態になる人は相当数いるのだろう。これを「パリ症候群」と呼ぶ専門家もいる。ふむ。皆人間だ。弱いところもある。支えあいによる、人間の間にあるものの大切さを、こちらにきて以前より一層、実感するようになりました。今私の中で、心理的な変化が起こってきていることを、自ら感じています。

 食が細くなっているので、夕方は意識してしっかり食べるようにしました。栄養を摂る!これが目標。kさんから勧められた本、中村 天風「心に成功の炎を」をアマゾンで注文。実家経由で届けてもらう。実践あるのみでしょう。自分の気持ちは晴れてきていて、自制による下支えが出来てきたことを感じるので、そろそろ解決しそうな気がする。本は、お守り?

 今日は、結構歩きました。では、おやすみなさい。