【Evnt】 中世カリグラフィーの無料講座


【Evenements】 中世カリグラフィーの無料講座

今週土曜、京都日仏学館(市バス京大正門前すぐ)図書室にて、中世カリグラフィーのワークショップが開催されました。ここの図書室では本日迄、中世をテーマとした展示が行われていました。中世好きの私には堪らなく楽しい空間。今回のデモンストレーションは、図書室での作業の合間に、いい息抜きになりそうだと、以前から楽しみにしていました。

今回はイタリックの初歩。図書館員の仏人女性とアンシャル書体の話をしていたら、彼女はLOFTでアンシャル書体の練習ドリルを購入しおられて複写を多く用意されていて、一部くださいました。アンシャル書体、ゴシックではゲルマンゴシック体(銅板印刷では「ひげ文字」)等に興味を持ちました。図書室で中世関連書籍も貸出可なので、文字好きには有難いですね。

既にお手本に出来そうな書体の見本はこちら。またこちらも豊富ですね。

アンシャル書体は古来聖書などにも用いられ、この大文字の書き方を経て、小文字が分化していき、カロリング書体は9世紀に発達し(フランク王国カロリング朝下)、ここで小文字が定着したようです。その後、13世紀初めに書物(紙)用に発展した、ゴシック書体として完成にいたるようです。(「書物の歴史」HPより抜粋)

カリグラフィーはサンミシェル広場で待ち合わせ中に、横に座った仏人に偶然に一度だけ(30分位?)簡略なカリグラフィーペン(特別に斜めに切り立ったペン先をもち、全体の形状はマジックペンと似ています)を使用して、教えていただいたことがあります。そこで習ったコツは入射角を固定し、カーブの形の重心(文字傾斜次第で異なる)に留意することでした。

今回イタリック書体について教えていただいたコツで私の場合気をつけるべき諸点は、入射角は右上45度を維持すること、太い部分を描く時は進む方向に重心がかかりがちであるから逆側に適度に力を残して筆をかすれさせない工夫をすること(5-7度の右側への傾斜があり右側に力を入れにくいのが原因)、手本をよく見て幅のメリハリをつけ最後のはらいまで気を抜かないこと、でした。基本的には模写の繰り返しの手習いは、書道と変わりません。お手本は美しいとされる文字の平均値で、古典の原典には書いた方の美しい書跡が色々あるというのは、書道とも共通しますね。今回初めて見ました、二重構造をした金属のペン先をもつ精鋼で硬質な専用のカリグラフィーペンは、やはり仕上がりが違いました!(大きな文具店・画材店には置いてあるそうです。) なお、アンシャル書体の場合は、入射角は30度で傾斜なしのようです。

カリグラフィーは楽しい気分転換になりました!

(今回作業した内容の写真は、後で掲載しますね)

(以下、HPより転載します)------------------------------------

2008年3月1日 (土) / 13時30分
カリグラフィーのデモンストレーション
実演:長野智美、鳥羽京子

中世でもっともよく使われたアンシャル書体、カロリング書体、ゴシック書体を発見してみませんか?長野智美さんと鳥羽京子さんが、およそ30分のデモンストレーションを催します。

2008年3月1日 (土) / 13時30分から
入場無料

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2008年3月1日 (土) / 14時から18時
カリグラフィー・ワークショップ
講師:長野智美、鳥羽京子
ご来館のみなさまにも、カリグラフィーを実践していただけます。長野智美さんと鳥羽京子さんによる中世のカリグラフィー(西洋装飾文字)のデモンストレーションに続いて、およそ30分のイタリック書体体験講座を開催します。カリグラフィー用のペンを取り、グリーティングカードを書いてみませんか? 予備知識などは一切必要なし、初心者向けの講座です。

2008年3月1日 (土) / 14時から18時 各回30分
参加費無料(材料も当館がご用意します)
定員あり